認知症とは

1. 研修の目的


• 認知症の基本的な知識を学ぶ
• 認知症の種類や症状について理解を深める
• 利用者への適切なケア方法を身につける
• 認知症利用者との信頼関係を築くための具体的なコミュニケーション技術を習得する

2. 認知症の定義


• 認知症とは?
• 脳の病気や障害によって、記憶・判断力・言語能力などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態のこと。
• 老化との違い
• 単なる加齢による物忘れとは異なり、一度失われた能力は戻らない。

3. 認知症の種類


1. アルツハイマー型認知症(約70%)
• 特徴: 記憶力の低下、見当識障害(時間や場所がわからなくなる)
• 病因: 脳内にアミロイドβたんぱくが蓄積し神経細胞が死滅
2. 血管性認知症
• 特徴: 脳梗塞や脳出血が原因で段階的に進行
• 症状: 感情のコントロールが難しくなる、体の麻痺
3. レビー小体型認知症
• 特徴: 幻視(存在しないものが見える)、パーキンソン症状(震え、筋硬直)
• 症状: 日によって症状の波が激しい
4. 前頭側頭型認知症
• 特徴: 社会的ルールを守れなくなる、人格や行動の変化
• 症状: 衝動的な行動や同じことを繰り返す

4. 認知症の症状


• 中核症状(脳の障害に直接起因する症状)
1. 記憶障害
2. 判断力や理解力の低下
3. 見当識障害(時間、場所、人がわからなくなる)
4. 言語障害(言葉が出てこない、間違った言葉を使う)
• 周辺症状(BPSD: 行動・心理症状)
1. 徘徊
2. 幻視や妄想
3. 不安や興奮、抑うつ状態
4. 睡眠障害

5. 認知症の原因


1. 神経変性疾患
• アルツハイマー病、レビー小体病など
2. 血管性障害
• 脳梗塞や脳出血
3. その他の原因
• 脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、ビタミン欠乏症など

6. 認知症ケアの基本姿勢


1. 尊厳を守る
• 利用者の意見や感情を尊重し、人格を否定しない
2. 本人の立場で考える
• その人が何を感じ、どのような世界を見ているか想像する
3. ゆっくり丁寧に接する
• 急かさず、利用者のペースに合わせる
4. 家族と連携する
• 利用者の生活歴や好みを把握し、ケアに活用

7. 認知症への具体的な対応策


1. 記憶障害への対応
• 大事な情報は繰り返し伝える
• 写真やメモを活用し、視覚的に支援
2. 徘徊への対応
• 安全な空間を確保し、危険を防ぐ
• 家族や周囲と連携して見守り体制を整える
3. 幻視や妄想への対応
• 否定せず、「怖かったですね」などの共感を示す
• 安心感を与え、静かな環境を整える
4. 暴言や暴力への対応
• 感情的に反応せず、冷静に対応する
• 背景にある原因(不安、痛み)を探り、解消する
5. コミュニケーションの工夫
• 簡潔でわかりやすい言葉を使う
• 非言語コミュニケーション(ジェスチャー、表情)を活用

8. 認知症の予防策(家族や地域との協働にも役立つ情報)


1. 適度な運動
• 毎日30分のウォーキングや軽い体操
2. バランスの取れた食事
• 野菜や魚、オリーブオイルを中心とした地中海食
3. 社会的交流
• 趣味やボランティア活動を通じて人と関わる機会を作る
4. 知的活動
• 読書、パズル、楽器演奏などを楽しむ

9. チームケアの重要性


• 情報共有
• ケアの内容や利用者の状況を記録し、チーム全員で共有
• 役割分担
• 各職種が専門知識を活かし、連携して支援
• 定期的なミーティング
• 利用者の状態を振り返り、対応策を見直す

10. ケーススタディ: 認知症ケアの実践


1. 事例1: 突然怒り出す利用者
• 安心できる言葉をかけ、静かな環境に移動させる
2. 事例2: 家に帰りたいと訴える利用者
• 話を否定せず、「家ではどんなことをしていたのですか?」と話を広げる
3. 事例3: 食事を拒否する利用者
• 食べやすい形状や味付けを工夫し、ゆっくり勧める

11. 実践トレーニング


1. ロールプレイ
• 認知症利用者の特性に応じた対応方法を練習
2. BPSD対応シミュレーション
• 実際の現場を想定し、迅速な対応を学ぶ
3. コミュニケーションスキルの向上
• 傾聴や非言語的手法を取り入れた練習

12. まとめと行動計画


• 認知症ケアは知識と共感の両輪が必要
• 利用者にとって最善の支援方法をチームで考え続けることが重要
• 日々の業務で学びを活かし、実践を重ねる

13. 質疑応答と振り返り


• 研修で学んだ内容の確認と現場での活用方法を話し合う
• 個人やチームでの次の目標を設定する